1961年にアメリカ人ダンサーであるロゼラ・ハイタワーによって創設され、現在11歳から23歳までの150名の生徒が在籍している。2月、4月、7月、8月、10月に講習会が開催され、年間延べ300から400名の参加者がいる。 11歳から初級クラス(フランスの中学1年生から3年生)を、13歳から中級クラス(フランスの中学3年生から高校1年生)を、15歳から上級クラス(フランスの高校1年生から3年生)を受験することができる。この3つのクラスを総称して、ダンス・エテュ-ドという。2012-2013年度のオーディションは4月28日と7月8日に実施される。フランスでの中学1年生から4年生(11歳から15歳)はクラッシックのクラス審査、高校1年生から3年生(15歳から18歳)はクラッシックとコンテンポラリーのクラス審査によって合否が決まる。 ダンス・エテュ-ドコースの最終学年はプレ・プロフェッショナルコースの1年生に当たり、プレ・プロフェッショナルは3年間で修了し、3年生はカンヌ・ジュンヌ・バレエを形成し各地で公演をしている。プレ・プロフェッショナルは17歳以上のものが受験でき、2012-2013年度のオーディションは5月5日と7月8日に実施される。クラッシックとコンテンポラリーのクラス審査および、ヴァリエーション審査によって合否が決まる。受験料はダンス・エテュ-ドもプレ・プロフェッショナルもともに25€。外国人はDVD審査による受験も可能であり、締め切りは7月1日。 寮は3食付きだが、ヴァカンスごとに退出しなければならない。プレ・プロフェッショナルではヴァカンス中の住居に困らぬように学校が配慮している。 中学・高校の授業、ダンスのクラスはともに寮がある敷地内で行われる。 費用は、ダンス・エテュードが授業料と寮費合わせて年間9500€、プレ・プロフェッショナルは10100€かかる。
・所在地:ムージャン、カンヌ
・入学年齢:11歳から
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ダンス・エテュードコースはフランス語での学業が義務なので、プレ・プロフェッショナルコースからならばフランス語力がなくても英語ができれば、ダンスの授業にはついて行ける。上記のコースのほかにも教師になるコースもあるが、必修科目の単位を取るにはかなりのフランス語能力が要求される。
記事作成協力:日仏文化協会(2012/3)
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1978年に創設され、1994年からはコンテンポラリー、2007年からはジャズ(スペシャリゼコースのみ)の部門も作られ、現在クラッシックは100名、コンテンポラリーは90名、ジャズは15名が在籍している。パリ市がモンマルトルに近い観光名所であるアベス界隈にコンセルヴァトワールとパリ市立劇場(アベス劇場)と公営住宅の集合建築を完成させ、1996年にダンス部門のみパリ8区から18区のアベスに移転する。アベス劇場は世界中からコンテンポラリーの優れたカンパニーが公演をしに来ることで知られているが、コンセルヴァトワールの生徒も、公開レッスンや学校公演、学年末試験をこの劇場で行うという特権に恵まれている。 半日は提携の公立校で学業を、半日はコンセルヴァトワールでダンスをすることになる。年齢にかかわらず小学4年生から入学できる。学業との両立コースは、第1、第2課程が3年づつ、修了コースが2年あり、フランスでは国籍に関わらず16歳の誕生日まで就学することが義務付けられているが、16歳を過ぎても学業との両立コースに登録をしたものは必ず提携の公立校でフランス人と一緒に授業を受けなければならない。最終のスペシャリゼコースは16歳から18歳のものが受験できるが、学業は義務ではない。 コンセルヴァトワールの寮はないが、11歳から入寮できる芸術系の学生用の一般の寮がパリ郊外にある。 両立コースの2012-2013年度の入試日程は、5月18日と19日で、初日にクラッシックのクラスに通ったもののみ翌日のヴァリエーション審査に進める。受験料、授業料ともに無料。スペシャリゼコースの入試日程は6月1日と2日で、初日のクラッシックのクラス審査に通ったもののみ翌日のヴァリエーション審査に進め、ヴァリエーション審査前に受けるヴァリエーションのコーチングも審査対象となる。受験料は52€で年間の登録料として259€がかかるが、提携の公立校で学業を続けている者はどちらも免除になる。 クラッシックの授業のほかには、キャラクターダンス、ダンスの歴史、音楽、創作などがある。
・所在地:アベス(パリ18区)
・入学年齢:小学4年生以上
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年齢の低い生徒は、パリオペラ座バレエ学校に必ず毎年数名合格している。パリオペラ座バレエ学校途中退学者も在籍しており、パリ国立高等音楽院(CNSMDP)を受験できる年齢になると、そちらに移る生徒も毎年いる。パリオペラ座バレエ学校とパリ国立高等音楽院とCRRパリは、以前は掛け持ちで同じ教師が教えていたが、オペラがナンテールに、CNSMDPがパリ19区のヴィエットに移転してからは徐々に、ここ数年は更に異なる教師陣になっている。
記事作成協力:日仏文化協会(2012/3)
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5年間でディプロムを取る。5年目のジュニアバレエからの入学者はこのディプロムは取れない。ダンスの歴史、音楽、解剖学なども必修で、高校卒業資格も必要である。外国人の場合はフランス語能力試験のB1以上の証明が試験時に提出しなければならない。2012-2013年度入学の場合は、2012年10月1日に14歳以上17歳以下の者が1,2年生として入るための受験ができる。インターネットで2012年1月3日から2月3日までに願書取り寄せの登録をし、3月3日までに願書を提出する。試験日は2012年5月21日から25日。中学や高校に半日通うことが前提となっており、コンセルヴァトワールでの授業は半日行われることになる。最終学年のジュニアバレエは2012年10月1日に17歳以上23歳以下の者が受験でき、願書取り寄せのためのインターネット登録は2012年3月1日から4月1日まで、受験日は6月16日である。授業は午前から1日中あり、年に数回の公演がある。毎年200名以上の志願者のうち30名ほどが合格する。毎年末に進級試験があり、落第や退学、コンテンポラリーへの転向を勧められることもある。ディプロム取得者のうち92パーセントはダンスに関わる仕事に就いている。クラッシックダンスのコースに75名の生徒がおり、コンテンポラリーのコースにも同数の生徒がいる。クラッシックの生徒もコンテンポラリー、創作、ジャズ、キャラクターダンスが必修である。年間の費用は登録料として410€、その他に保険料が197€、健康診断費が4,57€かかる。そのほかの学費は国がおよそ20000€負担している。週に2日の午後にスポーツ医と運動療法士がコンセルヴァトワールに来て無料で診察を受けることが出来る。18歳以下の未成年のための寮は、週末とヴァカンスの間は閉鎖される。18歳以上の成人のための寮もあるが、両親の所得に制限があり書類審査がある。通常は個人でアパートを借りるか一般の寮に入ることになる。
・所在地:パリ 19区
・入学年齢:14歳以上
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授業は全てフランス語で行われるので、フランス語の習得が必須である。高校卒業資格のバカロレアを取ることも義務付けられているため、学業との両立に苦労する。クラッシックのコースでもコンテンポラリーや創作が必修で、コンテンポラリーのコースもあるだけに、本格的なレベルを要求されるので、クラッシックダンサーにしてはコンテンポラリーに強くなる。学校外での公演は基本的に最終学年のジュニアバレエだけが行っている。クラッシックのクラスの講師陣は殆どはパリ・オペラ座出身者である。ローザンヌコンクールにもほぼ毎年出場者がいるが、現在学校としては国際コンクールに参加することは勧めていない。ジュニアバレエの生徒は、校長や講師の推薦によりバレエ団への就職が有利に働いている。
記事作成協力:日仏文化協会(2012/2)
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