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海外バレエレポート(イタリア)23
ミラノ・スカラ座 ヌレエフ版「ラ・バヤデール」

2021/22シーズンのオープニングの演目、パリ・オペラ座以外では初めての上演となるヌレエフ版「ラ・バヤデール」は、12月21日に初日を行った後、それに続く公演はコロナ蔓延のため1月25日~29日に延期されました。

現在はグリーンパス(ワクチン接種証明書)提示、高機能マスクFFP2の着用義務と検温で、集客数マックスを収容しています。

Brescia e Amisano @Teatro alla Scala

2020年12月から芸術監督がマニュエル・ルグリ(元パリ・オペラ座のプリンシパル)に変わりましたが、その当時は奇しくもパンデミックの真っ最中。というわけで、ルグリ率いるスカラ座バレエ団の本格的な公演は今シーズンからとなりました。そのスタートに、パリ・オペラ座が上演権を持ち、外に一度も出したことがなかったヌレエフ版「ラ・バヤデール」が選ばれたのは、誰もが納得がいくセレクトと言えるでしょう。

Brescia e Amisano @ Teatro alla Scala

ルグリは前職のウィーン国立歌劇場バレエ団とスカラ座バレエ団の違いを次のように述べています。『ウィーンのバレエ団は15の国籍を持つダンサーから成り、コーチングなどなく、すぐにどのレパートリーでも踊れなければならないという苛酷さがある。一方、スカラ座バレエ団は、団員のほとんどがスカラ座付属バレエ学校の卒業生であり、明らかにスタイルに一貫性がある。また毎公演ごとに準備期間があり入念なリハーサルがある。ダンサーたちは非常に情熱がありモチベーションが高い。環境はオペラ座のそれに非常に近く、スカラ座で働き始めてすぐにホームに帰ってきたように感じた』。彼のこの弁から推測すると、ルグリとスカラ座バレエ団はとても相性が良いようですね。

Brescia e Amisano @ Teatro alla Scala


それでは、パリ・オペラ座が大事に守り、これまで決して外に出すことがなかったヌレエフ版「ラ・バヤデール」とはどのようなものなのでしょうか。こちらに関してもルグリの言葉を引用したいと思います。どの演目にしろヌレエフ版は技術的に難しいというが?という質問に対し、『確かに一見するとそのように見える。しかし、テンポを数えることを止めて、音楽の中に完全に入ってしまうことができれば、パの難しさは消え、全ては単純になり表情豊かなものになる。ヌレエフがこだわり続けたのは「動きの真実性」。彼は、動きがただの振り付けでなく、心から湧き出たものであることを執拗に求めた』。
さて、今回のスカラ座での公演に話を戻しましょう。スカラ座の主要のプリマバレリーナ3人(ニコレッタ・マンニ、マルティーナ・アルドゥイーノ、ヴィルナ・トッピ)全員がこのヌレエフ版を経験できるよう、ほぼ毎日違うキャストでプログラムが組まれました。ただ29日だけがスカラ座のゲストプリンシパルのスヴェトラーナ・ザハーロワと、スカラ座アカデミー出身でボリショイのプリンシパルのヤコポ・ティッシが出演。たった一晩のスペシャルな上演で、劇場は満席、桟敷席も立ち見がずらーっと並び、久しぶりに体験する熱気が非常に懐かしく、また嬉しく思いました。

Brescia e Amisano @ Teatro alla Scala

Brescia e Amisano @ Teatro alla Scala


ザハーロワは間違いなくバレリーナになるために生まれてきた人。彼女の体はバレエを踊るために天から与えられたものに違いありません。彼女が舞台に現れた瞬間、その肉体の完璧さに鳥肌が立ちます。少し痩せすぎているように思われる体は、実はありえないほど強靭で、体が描くラインはこれ以上ないほどに美しい。テクニックが200%完璧であるからこそ、観客は彼女の内面に100%入り込むことにできるのです。ニキヤはドラマチックな役で語ることが多い役であるため尚更。ザハーロワ自身が結婚し出産し、女性として様々なことを経験することによって、歳を重ねるごとに内面の表現により磨きがかかっていると感じます。劇場が一体となって息を呑む夜というのは、何年スカラ座に通い続けていてもそうそうあるものではありません。この夜に立ち会えた幸運に感謝しつつ。

 

Brescia e Amisano @ Teatro alla Scala

 




 

過去の海外のバレエレポート(イタリア)1~22はバレエナビに掲載中

 

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