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  • 横浜バレエフェスティバル2024公演映像配信
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『横浜バレエフェスティバル2021』出演!
オステアー紗良インタビュー

『横浜バレエフェスティバル2021』に、ベルリン国立バレエ団 デミソリストのオステアー紗良さんが出演! 本公演のために創作したコンテンポラリー作品『I won’t stand still』を披露し、横浜で世界初演を迎えます。8月1日の開幕を前に、オステアーさんにインタビュー! 公演への想いとメッセージをお聞きしました。

インタビュー:小野寺悦子

——『横浜バレエフェスティバル2021』に出演が決まった心境をお聞かせください。

昨年のフェスティバルがキャンセルになってしまい、今年も開催できるのか不安でしたが、連絡をいただいた時は素直にとてもうれしかったです。今回のフェスティバルに向けて新たな目標ができたので、モチベーションも上がりました。

 

——2018年開催時にも『横浜バレエフェスティバル』に出演されています。当時の想い出、手応え、特に印象に残っていることはありますか?

2018年は初めて『横浜バレエフェスティバル』に出演させていただき、またプロになってから日本で踊ること自体初めてだったので、とてもドキドキしました。普段は観に来ることのできない家族や友人がたくさん観に来てくれて、とても幸せだった記憶があります。そして、お客様や他の出演者の方々、チームの方々、みなさん本当に素敵な方たちで、とても素敵な想い出として残っています。

 

——今回初演を迎える新作『I wonʼt stand still』についてご紹介ください。

振付家で同僚でもあるアシャック・ギャルマンが今回のフェスティバルのため
に振付けてくれました。タイトルは『I wonʼt stand still』で、“立ち止まらない”という意味を込めました。流れていく風や川の水のように、汚れたり流れが乱れても、人生は止まらず流れ続ける。そして流れ続けていればきっと綺麗な風や水に戻る時が来る! そんな想いを込めた作品にしました。コロナに因んだ訳ではありませんが、この作品を通し、観てくださる方にエネルギーや新たなインスピレーションを与えられたら一番幸せです。

 

——ベルリン国立バレエ団では普段どのような作品を踊っていますか? またこれまで踊った中で特に想い入れのある作品や役、転機になった経験といえば?

ベルリンでは古典バレエからネオクラシック、モダンと色々な作品を踊っています。なかでも特に記憶に残っているのがフォーサイスの作品『The seconde detail』。ソロパートのダンサーが喘息で踊れなくなり、私は別のパートを踊っていましたが、急遽3日で彼女のパートを覚えて踊ることになりました。カウントも難しく、スペーシングも確かではないまま舞台に飛び出て踊り、すごく緊張もしたし、失敗しないか不安でした。しかし、失うものは何もない、お客様に楽しんでもらおうという気持ちで踊ったら、ものすごく楽しく踊ることができた。公演を無事に終えられたことで、自分の自信にもなりました。現代のバレエダンサーは幅広い個性やスタイルの踊りを踊ることができて当たり前になっています。なので、どんなスタイルでも自分らしさを大切にしながら作品を踊るように心がています。

 

——ベルリン国立バレエ団の活動内容と、主なレパートリーをご紹介ください。

10時から11時15分までクラスがあり、15分の休憩を挟んで11時30分から14時までリハーサルがあります。その後15時までお昼休みで、18時までリハーサルです。公演のある日は13時ごろ終わり、夜の舞台まで休みます。レパートリーは、『白鳥の湖』、『バヤデール』、『ジゼル』、『くるみ割り人形』、『オネーギン』、『シルフィード』、フォーサイス、デイビット・ドーソン、エックマン、シャロン・エアルなどの作品があります。

——世界的なパンデミックが続いていますが、ベルリン国立バレエの活動、ご自身の日常生活は現在どのような様子ですか?

パンデミックがひどかった頃は、自宅でズーム越しに毎日カンパニーのクラスを受けていました。ありがたいことにベルリンのカンパニーでは自宅隔離が始
まって1週間でダンサー90人分のリノリウムを家まで届けてくれました。その他にも一人暮らしのダンサーや外国人など不安を抱えるダンサーのため、ヘルスサポートや相談所などを設け、ダンサーが身体だけでなく精神的にも元気でいられるようにサポートしてくれました。本当に感謝しかありません。
現在は少人数のグループにわかれてクラスをしていて、スタジオ以外ではマスクを付けています。リハーサルがある組とそうではないグループで細かくわかれていて、リハーサル組は週に2回の唾液テストをし、感染対策をきちんとしながらリハーサルを進めています。

——舞台やリハーサルの休止中はどのように過ごしていましたか? オステアーさんの心身のキープ法を教えてください。

舞台やリハーサルがなくクラスのみで終わる1日は物足りない気分でしたし、
筋力や体力が衰えていくのを感じました。なので、ジョギングをしたり、カーディオをしたり、ピラティスをしながら体のコンディションを保つようにしていました。
私は割とポジティブなタイプなので、コロナ禍で精神面が不安定になることは
ありませんでしたが、そんな私でも小さなことでイライラするようになったり、楽しくなかった時期もありました。踊ったり動いている時に体に分泌されるホルモンや成分が急激に減ってしまい、マイナス思考になりかけていました。
けれど今は大丈夫です! 舞台があることで前向きにモチベーションを上げられています。

 

——秋以降のバレエ団とご自身の活動で現在決まっていることはありますか?

バレエ団では新たにマルシア・ハイデ振付けの『眠りの森の美女』と『ドン・キホーテ』が加わります。デイビット・ドーソンの新作もベルリンのダンサーのために振付けられた素敵な作品です。その他に、昨年の3月からダンスマスタークラス(www.dancemasterclass.com)という新たなプラットフォームを立ち上げました。現役で活躍している世界のトップダンサーや振付家の彼らにしか教えられないこと、今まで話したことのない内容を映画の一部のような映像にまとめたオンラインストリーミングプラットフォームです。毎月新作映像が追加されるので、興味のある方はぜひご覧になってみてください。

 

——『横浜バレエフェスティバル』の出演は3年ぶりになります。この3年で特にご自身の中で変わったこと、成長したと感じることは?

3年前はロイヤルフランダースの団員として参加させていただきましたが、その後ベルリン国立バレエ団に入団することができ、一つの大きな夢が叶いました。同僚には自分が憧れていたダンサーがいて、彼女たちと一緒にレッスンをしたり、お話をしたり、お昼を食べることができ、毎日たくさん学んでいます。
ベルリンに来たときは90人のダンサーの中で溺れずにどうしたら自分を出していけるのか悩みましたが、今は自分の個性を最大限に活かし、自分にしかできない踊りを目指しています。現代のバレエ界や世界は個性的で幅広いスタイルの踊りを踊れるダンサーをとても好みます。なので、どんなスタイルでも自分らしさを大切にしながら、作品を大切に踊るよう心がけています。

 

——今後挑戦してみたいことはありますか?

マツ・エックの作品がレパートリーにあったのですが、残念ながらパンデミックの影響でなくなってしまいました。いつか彼と一緒に働いてみたいです。
あとやはりパンデミック中に、中村恩恵さんと彼女のプロジェクトを通じて繋がる機会があり、オンライン越しに少しお仕事をさせていただきました。いつかご本人にお会いして、作品に関わることができたらうれしいです。そして今後もこのフェスティバルに呼んでいただけたらうれしいです!

 

——今回の帰国で個人的に楽しみにしていることは? 

やはり家族に会えるのが一番うれしいです。13歳で日本を離れてから1年に1度か2度しか会えないので、帰国したときはずっと家で家族と過ごしています。食べものはやはり和食が大好きで、和菓子も楽しみの一つです。

 

——観客にどんな舞台をおみせしたいですか? メッセージを御願いします。

観に来てくださり本当にありがとうございます。お客様なしでは私たちの舞台は成り立たないということを今年一年でより感じました。こうしてみなさんの存在とエネルギーを感じながら踊れることが何よりうれしいです。この作品を通して観てくださる方が少しでも現実から離れ、私の作り出す世界を楽しんでくれたらうれしいです。


★公演情報★


横浜バレエフェスティバル2021

★第2部・第3部 ワールドプレミアム
・「ドン・キホーテ」よりキトリのヴァリエーション
井関エレナ (ベルリン国立バレエ団)
松浦祐磨 (2021年ロイヤルバレエ学校卒業/ABT studio company入団予定)

「I won’t stand still」 振付:アーシャック・ギャルマン
オステアー紗良 (ベルリン国立バレエ団 デミソリスト)

「エスメラルダ」より男性ヴァリエーション
二山治雄 (2014年ローザンヌ国際バレエコンクール・1位/元パリ・オペラ座契約団員)

タイトル未定 コンテンポラリー作品
津川友利江 (元バレエ・プレルジョカージュ)
柳本雅寛 (振付家・ダンサー・+81主宰)

「ジゼル」第2幕よりパ・ド・ドゥ
飯島望未  (元ヒューストン・バレエ団プリンシパル)
秋元康臣 (東京バレエ団プリンシパル)

タイトル未定 コンテンポラリー作品 振付・演出:高瀬譜希子 遠藤康行
高瀬譜希子 (元カンパニー・ウェイン・マクレガー)
遠藤康行 (元フランス国立マルセイユ・バレエ団ソリスト・振付家)

・ 「パキータ」よりソリストのヴァリエーション
前田紗江 (英国ロイヤル・バレエ団アーティスト)

「FORWARD」 コンテンポラリー作品  振付:エドワール・ユ
津川友利江 (元バレエ・プレルジョカージュ)

「パリの炎」よりグラン・パ・ド・ドゥ 
菅井円加 (ハンブルク・バレエ団プリンシパル)
二山治雄 (2014年ローザンヌ国際バレエコンクール・1位/元パリ・オペラ座契約団員)

「瀕死の白鳥」
木村優里 (新国立劇場バレエ団ファースト・ソリスト)

★第1部 フレッシャーズガラ
「くるみ割り人形」第2幕より金平糖の精のヴァリエーション
山下栞
2021年出演者オーディション優勝/神奈川県民ホール賞(所属:シンフォニーバレエスタジオ)

「アレルキナーダ」のヴァリエーション
宮さくら
2021年出演者オーディション第2位(所属:梨木バレエスタジオ)

「グラン・パ・クラシック」より女性ヴァリエーション
田中美帆
第6回YBC横浜バレエコンクールグランプリ受賞(所属:東京シティバレエ団)

「悪魔のトリル」 振付:遠藤康行
ジュンヌバレエYOKOHAMA
  遠藤ゆま(エンドウ・バレエ)  國立桃菜フローラ(BALLET・LE・COUER)
  桑山奈那子(エンドウ・バレエ)  小林咲穂(RBSバレエカンパニー) 
  三宮結(RBSバレエカンパニー)  高尾志結(エンドウ・バレエ)
  竹内渚夏(BALLET・LE・COUER)  田中優歩(マユミキノウチバレエスタジオ)
  橋本杏梨(マユミキノウチバレエスタジオ)  羽田万凜花(鈴木直敏・恵子バレエスクール)
  水戸野彩花(白鳥バレエ学園)  山下沙羅(RBSバレエカンパニー)
  山本真優(エンドウ・バレエ)    ※50音順

※演目は変更になる場合がございます。

 

 

チケットはこちら横浜バレエフェスティバルチケットセンターから
チケットかながわでも扱っています。詳しくは、こちら





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