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  • 横浜バレエフェスティバル2024公演映像配信
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『横浜バレエフェスティバル2023』出演!
SHIVERバレエコンサート2023 京都公演・福岡公演
大川航矢&寺田翠インタビュー

今年『横浜バレエフェスティバル』に初出演を果たす、大川航矢さんと寺田翠さん。ロシアで長くダンサーとして活躍し、昨年日本に拠点を移し活動をスタート。公私ともにパートナーの二人がどんなステージを見せてくれるのか、期待と注目が高まります。さらにお二人は京都・福岡で開催される『SHIVERバレエコンサート』にも出演。公演に臨む心境と意気込みをお二人にお聞きしました。

 

インタビュー:小野寺悦子 

 

モスクワ国際バレエコンクール 練習風景

 

――『横浜バレエフェスティバル』初出演です。出演が決まった心境をお聞かせください。

 

大川:素晴らしい公演に参加できること、素晴らしいダンサーと共に踊ることができることをとても嬉しく思います。

 

寺田:『横浜バレエフェスティバル』はこれまで何度か出演依頼をいただいておりましたが、スケジュールが合わずにいました。今回出演することが叶い、とても嬉しく思います。『横浜バレエフェスティバル』には毎年素晴らしいダンサーが出演されているのは知っていましたので、同じ舞台に立つことができとても光栄に思います。

 

タリスマンコンクール時の写真

 

――公演では『タリスマン』グラン・パ・ド・ドゥを披露します。本作を選んだ理由とは? 踊り手として感じる魅力、手強さをお聞かせください。

 

大川:『タリスマン』はモスクワ国際バレエコンクールのために準備して踊ることを決めたパ・ド・ドゥで、受賞式後のガラコンサートでも踊った大好きなパ・ド・ドゥです。

 

寺田:『タリスマン』はダンサーからとてもハードなパ・ド・ドゥだと言われていて、私も同じように感じます。実際、通すと15分以上あり他のパ・ド・ドゥより長めですし、特に女性は一度出たらほとんど舞台に出ずっぱり。体力的にはとても辛い踊りだと思います。けれど音楽は常に滑らかで優しく、ワルツも入ってくるので、全体を通して軽やかで、踊っていてとても心地が良いのが魅力です。

私は今回産後初のグラン・パ・ド・ドゥなので、体力をしっかり取り戻すこと、肺がこのパ・ド・ドゥに慣れるように練習することがまず課題です。子育て中心の生活なので、毎日練習できるわけではなく、限られた時間の中でちゃんとプロフェッショナルなものを見せられるように頑張っています。

 

――公私ともにパートナーのお二人だからこそ通じ合うもの、表現できるものがありそうです。

 

寺田:航矢とはボリショイバレエアカデミーの学生時代から一緒に踊ってきました。なので、バレエの上でも目指すものの価値観が同じなのが良いところだと思います。

 

大川:主にメンタル面でお互いケアし合えることだと思います。どれだけ疲れているかなど、明確に知っているからこそ、気遣いができる。あとは信頼があるからこそ、お互いの注意点をズバズバ言い合えます。これもより良い踊りを求めるためです(笑)。

 

ノヴォシビルスク劇場リハーサル風景

 

――『横浜バレエフェスティバル2023』の出演者の中で、これまで共演経験のある方、お付き合いのある方はいらっしゃいますか?

 

寺田:井関エレナさんとは数年前、確かペルミの国際バレエコンクールで、まだ彼女が学生だった頃にお会いしました。あれから経験を積まれて、今では素敵なプロのダンサーになった彼女と一緒に踊ることができるのはとても嬉しいです。福岡雄大さんは、まだ私が幼かった頃にワークショップでお見かけしたことがありました。その頃の私からすると、雲の上の存在! という感じで、ドキドキしたのを覚えています。こうして同じ舞台に立てることを光栄に思います。

 

大川:何度か共演したことのあるダンサーも何人かいらっしゃいますが、やっぱり菅井円加ちゃんと同じ舞台に立つのはいつも楽しいです。素晴らしい踊りはもちろん、彼女のポジティブなパワーに触れるとこちらもポジティブになれます。

 

――『SHIVERバレエコンサート』は京都・福岡で開催されます。これまで京都・福岡で踊ったことはありますか? 

 

寺田:福岡には冬の時期に2度訪れました。気温が毎日マイナス30度のロシアから福岡に来ると、福岡があまりにも暖かく感じられて……。気候も良く、街も人も温かくて、とても好きな街です。
京都はお寺や神社巡りでよく訪れているのですが、舞台のためには行ったことがないので、今からとても楽しみです。

 

大川:福岡は何回か踊る機会がありましたが、京都で踊るのは初めてです! 大好きで観光では何度も行っているので、そこで踊ることができるのはとても楽しみです。

 

――ジュニア時代から数々のコンクールで賞を受賞されてきました。なかでも特に印象に残っている思い出をお聞かせください。

 

大川:2009年に出場したモスクワ国際バレエコンクールがとても印象的です。新劇場の方でしたが、ボリショイ劇場で1人で踊ることに緊張しながらもとても興奮して踊ったと記憶しています。

 

――お二人はジュニア時代どのようなレッスンを重ねてきたのでしょう。プロを目指すジュニアのためにアドバイスを御願いします。

 

大川:練習は本番のように本番は練習のように。これがとても大事だと考えます。あとは怪我をしないために正しい身体の使い方をマスターして欲しいです。

 

寺田:小学校高学年からは毎日レッスンに行き、レッスン後は夜10時過ぎまで練習をしていました。お正月も休日もバレエ教室に行くようになり、気づいたらバレエ漬けの日々でした。ロシアに留学するまでは、短期留学にも何度か行きました。フランス、ベルギー、アメリカ、中国などを訪れました。若い頃はその国の空気を吸うだけでも、いろいろなことを感じ、吸収し、視野が広がります。現地で学んでいる生徒や先生との出会いはとても刺激になり、留学やプロのダンサーへの道を思い描くきっかけになりました。

 

ロシアバレエ誌の踊りの魂賞授賞式

 

――ロシアというバレエ大国で、日本人がプロダンサーとして踊るというのは並大抵のことではないはず。お二人がそこで大切にしてきたこと、培ってきたこととは?

 

寺田:順番をすぐに覚えて、いつでも舞台に立てられるようにすること。そうしていれば、この子に任せれば大丈夫だろうと思ってくれて、役を任せてくれるようになります。ロシアのバレエ団は常に時間が足りない、人が足りないので、そこで信頼されるダンサーになることが大切です。

あとは3回のリハーサルである程度完成させるようにすること。スタイルや持っているものが良い子は、多少ぐだぐだ練習して、本番で未完成でも許されます。でも私たちに求められているのはそういうことではないと自覚して、練習が少なかろうが、舞台は必ず完成度の高いものを見せようと心がけていました。

そして、バレエ団員に対して、先生に対して尊敬の心を持って接すること。バレエもやはり人間関係なので、コミュニケーションが円滑にできない人はやっぱりチャンスはなかなか来ない。

全幕物のバレエに出るのはやはり楽しいです。コンサートのパ・ド・ドゥも良いけれど、全幕で自分が主役だったり、そうでなくても、ソロ、コール・ド・バレエでさえも楽しい。とにかく全幕の一部になることができる胸の高鳴り、その気持ちを忘れないことです。

 

大川:ロシア芸術が好きだから15年間続けてこれたと考えています。いろいろな葛藤を経てその気持ちに気づかせてもらえたことに感謝しています。

 

モスクワ国際バレエコンクール、ボリショイ劇場にて

 

――日本に帰国して一年が経ちました。日本での生活について、今改めてどんなことを感じますか?

 

寺田:日本に帰国して一年経ちますが、子供ができてからは子供との時間を大切にすることがまず最優先だと思っています。幼稚園に入るまではできるだけ一緒にいてあげたいので、仕事との両立に試行錯誤しながら、時には満身創痍になりながらやっています。

本当に育児って大変です(笑)。まず出産してからは夜は一日足りともぐっすり眠れたことがない! 平日は基本的に育児に明け暮れています。週に2回、夜にオープンクラスを開いているので、子供は航矢に預けて教えに行ったり、自分も少し練習したりしています。日曜日はプロ育成クラスを開いていて、そこでの指導が良い気分転換になっているかもしれません。

教えることだけなら良いのですが、自分の練習時間を確保することが大変でもあります。今は週に2度、朝5時半くらいに起きて、赤ちゃんを抱っこして、航矢と3人でレンタルスタジオに行き、2時間みっちり練習しています。その後、航矢はバレエ団のレッスンへ行って、私は赤ちゃんを連れて帰ります。最初は昼間に私と赤ちゃんの2人だけで練習していたのですが、抱っこをされたがって練習にならなかったので、早朝3人で練習するのが一番良いのです。練習できる貴重な時間なので、どんなに眠くても疲れていてもこの時間だけは頑張る! と思いやっています(笑)。大変だけど、私の練習に付き合ってくれる家族のありがたみを感じて、それはそれでとても幸せな時間です。

 

4月産後舞台復帰時の写真

 

――教室も開講され、講師としても活動されています。どんな生徒さんに、どのような指導をされていますか?

 

寺田:東京でプロ育成クラスとオープンクラスを始めました。プロ育成クラスは今20人近くの生徒がいますが、教えている私の方が良い刺激をもらう時があります。そんななか思うのは、やはり日本の子はストレッチが圧倒的に足りないということ。バリエーションを踊れてもワガノワの10歳くらいの生徒たちが行うコンビネーションになると途端にできなくなる時があります。

日本人は強いと言われていて、テクニックや体力はあるかもしれませんが、基礎の強さが足りない気がします。なのでただ単に基礎を習得するのではなく、「基礎の強さ」を鍛錬できるレッスンを心がけています。日本の子たちは本当に真面目で教師から言われたことを一生懸命やろうとしてくれます。とても教えやすく、素晴らしいことだと思う反面、もっと自分を主張しても良いのではないかと思う時があります。みんなそれぞれ性格や個性が違い、注意したらテヘッと笑う子もいれば、口をギュッと結んで重く受け止める子もいたり、ふとした時にその子の想いが伝わってきます。だからこそ、もともと持っている個性や性格を押さえつけようとせずに関わっていきたいです。それぞれの個性をもっと引き出せたらとは思うのですが、日本の教育上そこが凄く難しい。いずれにしても、みんな良いチャンスに恵まれたら良いなと、そのためにできることはしてあげたいと思います。

 

――今後日本でどのような活動をされていこうと考えていますか?

 

大川:プロを目指す子供たちに。自分たちがした経験を活かして手助けができたらいいなと思っています。指導や相談などに力を入れていきたいです。

 

寺田:10月から大阪でプロ育成クラスを開く予定です。拠点は東京にあるので、毎週行くことはできませんが、月に一度大阪を訪れ、集中的にレッスンをしようと考えています。

そして、自分が踊ることも、バランスを見ながらですが前向きにやっていこうと思っています。やっぱり踊ることは楽しいですから。

あと子供の成長を見ながらですが、オンラインスクールにも興味があります。以前はオンラインでのレッスンには否定的な考えを持っていて、ちゃんと教えてあげられないかもしれないから、やらないでおこうと思っていましたが、今は少し違います。子供がもう少し成長して、これなら提供できると思えたら、行動に移そうと思っています。

 

チッポリーノのカーテンコール

――最後に、公演をご覧になるお客様にメッセージを御願いいたします。

寺田:日本で踊るのは4年ぶりになります。その間に自分の環境や心境がたくさん変わりました。初心に帰ったつもりで純粋な気持ちで頑張りたいと思っているので、その思いが伝わったら嬉しいです。

 

大川:他の素晴らしいダンサーと共にお客様と公演を共有できることを楽しみにしています。最高のパフォーマンスをお届けできるように頑張ります!

 


 

【公演情報】

横浜バレエフェスティバル2023

前夜祭 2023年8月5日(土) 開催
本公演 2023年8月6日(日) 開催

INTRODUCTION

~バレエの“力”が”かながわ”へ集結!~

 

①若いダンサーと円熟したダンサーという、年齢や経験からくる表現の幅や厚みの違い。②「クラシックバレエの定番からなかなか見られないコンテンポラリーダンスまで」「古典から新作まで」などの、演目のバラエティー。
この2つの軸を1公演に盛り込みます。

芸術監督の遠藤康行が公演全体のディレクションをし、オープニングとフィナーレを創ることで、
ガラ公演でありながらも公演全体が一つのストーリーのように、さらには、一人の人間の一生のように感じられるよう、努めています。
公演を観ていただく方それぞれが、ご自身と重ね合わせて感じられる、そんな時間を提供いたします。

芸術監督:遠藤康行
プロデューサー:吉田智大

 


 

 

 

INTRODUCTION

SHIVERバレエコンサート、京都・福岡での開催が決定!

 

国内外で活躍するワールドクラスのダンサーが集結するガラコンサートとして2015年に始動し、バレエ&ダンス界の毎年夏の風物詩となっている「横浜バレエフェスティバル」
ワールドクラスのダンサーの踊りをわずか100席程の会場で超!!至近距離から観れる、特別感・ライブ感満載の「SHIVERプレミアム」
この2つのエッセンスを凝縮し、新たに企画された公演が「SHIVERバレエコンサート(シヴァ バレエコンサート)です。

 

2023年は、京都・福岡での開催が決定!
クラシックからコンテンポラリーまで、更には普段は公開されることのないレッスン風景やトークを交え、バレエ&ダンスの魅力を存分にお届けいたします。
ワールドクラスのダンサーの踊りをぜひご堪能ください。

芸術監督:遠藤康行
プロデューサー:吉田智大

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